なぜ4K放送は「オワコン」と言われるのか?その3つの理由を解説

近年、「4K放送はもう終わりだ」「オワコンだ」という声を耳にすることが増えました。

2018年に華々しくスタートした「新4K8K衛星放送」でしたが、なぜ期待されたほど普及せず、厳しい評価を受けているのか?

今回は、4K放送が「オワコン」と言われる3つの主な理由について、分かりやすく解説します。

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1. 視聴のハードルが意外と高い

「4K対応テレビ」を持っているだけで4K放送が見られると思っている方も多いですが、実はそうではありません。

追加のチューナーが必要な場合が多い:

2018年以前に発売された4K対応テレビの多くは、4K放送を受信するための専用チューナーが内蔵されていません。

そのため、別途チューナーを購入する必要があり、初期費用がかさみます。

 

アンテナ工事や配線が必要:

BS/CSの4K放送を見るためには、専用のアンテナや配線工事が必要になるケースが多く、手間や費用が発生します。

特に、賃貸物件などでは工事が難しい場合もあります。

 

コンテンツ不足:

4K番組の制作には多大なコストがかかるため、見たいと思える番組が少ないという声も聞かれます。

特に、民放の4K放送はチャンネル数が限られており、コンテンツ不足感が否めません。

 

視聴するまでの手間を考えたら「そこまでして観たいとは思わない」ってなりますね。

お金と時間をかけて視聴環境を整えても、観たい番組が無い!というのは、コスパ・タイパを重視する昨今の視聴者には致命的な問題となってしまいます。

2. 地上波の4K化が進まない

多くの人が日常的に見ている地上波(民放)で4K放送がほとんど普及していないことも、4K放送が盛り上がらない大きな理由の一つです。

技術的な制約:

地上波は使える電波の周波数帯域が限られており、大容量の4K映像データを安定して送ることが技術的に困難です。

 

莫大な設備投資:

地上波を4K化するには、放送局や送信設備の大規模な更新が必要となり、莫大なコストがかかります。

この投資に見合うだけの収益が見込みにくいのが現状です。

 

現在の画質でも十分という認識:

多くの視聴者は、既存のフルHD(2K)の地上波放送でも十分に満足していると感じており、「そこまでして4Kを見る必要はない」という認識が広がっています。

 

サービス提供側もすでに4Kへの需要に対して懐疑的になってしまってたら、そりゃ普及しないですよね。

 

3. 圧倒的なライバル、動画配信サービス

そして、4K放送にとって最大の壁となっているのが、NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスです。

手軽にコンテンツを楽しめる:

多くの配信サービスは、インターネット環境さえあれば追加の機器や工事なしで、手軽にコンテンツを視聴できます。

 

多様なコンテンツ:

映画やドラマ、ドキュメンタリーなど、興味をそそるコンテンツが豊富に用意されており、ユーザーの「見たい」という欲求を満たしています。

 

利便性の高さ:

自分の好きな時に好きな番組を見られるオンデマンドの視聴スタイルは、放送時間の制約がある4K放送よりも圧倒的に利便性が高いと評価されています。

 

4Kテレビで高画質で観るよりも、手元のスマホやタブレットで手軽に視聴できるサービスの方が圧倒的に求められており、今後もその流れは続くでしょう。

 

まとめ

4K放送が「オワコン」と言われる背景には、上記のような様々な理由が存在します。

視聴のハードル、地上波の停滞、そして動画配信サービスの台頭という3つの大きな壁が立ちはだかっていると言えるでしょう。

 

しかし、これは「放送」という従来のメディア形式が、インターネットを基盤とした新たなメディアに優位性を奪われている、という時代の変化を象徴しているのかもしれません。

 

今後、4K放送が巻き返すには、視聴のハードルを下げる工夫や、放送ならではの独自コンテンツの強化が求められるでしょう。

まあ、今の若者がテレビをほぼ観ない事情を踏まえると、4K放送は淘汰されていくでしょうね。

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