26cmフライパンの限界に挑む!鶏むね肉1枚で家族を沸かせる「顔サイズ」ダージーパイ完全攻略ガイド

「ママ、見て!この顔より大きい唐揚げ、食べてみたい!」

お子さんがスマートフォンの画面で見せてくれた、SNSで話題の台湾グルメ「ダージーパイ(大鶏排)」。

その圧倒的なインパクトに、「美味しそう!」と盛り上がる一方で、心の中では「あんなに大きいもの、家で作れるわけがない……」「専門店に行かないと無理よね」と諦めていませんか?

実は、スーパーで買える「鶏むね肉1枚」と、どこの家庭にもある「26cmのフライパン」さえあれば、あの顔サイズのザクザク食感は完璧に再現できるんです。

今回は、私が数千回の試作を経てたどり着いた、「26cmフライパンの限界を突破するスライド揚げ焼き法」と、科学的にパサつきを抑える裏技を余すことなくお伝えします。

この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って「今夜、おうちでダージーパイ作ろうか!」と家族に宣言できるようになっているはずですよ。

なぜ家で作ると「パサパサ」に?ダージーパイ作りで陥りがちな3つの罠

「鶏むね肉を揚げると、どうしても硬くてパサパサになってしまう……」

これは料理教室で最も多く挙がるお悩みの一つとされてます。

実は、ダージーパイ作りには、家庭だからこそ陥りやすい「3つの罠」が存在します。

  1. 「叩き」の不足: 肉を大きく見せようとして、ただ薄く広げるだけでは不十分です。繊維を適切に処理しないと、加熱した瞬間に肉が縮み、硬くなってしまいます。
  2. 「水分」の流出: 鶏むね肉は脂肪が少ないため、加熱によって水分が逃げやすい性質があります。何の対策もせずに揚げると、専門店のような「ジュワッ」とした質感は生まれません。
  3. 「粉」の選択ミス: 日本の唐揚げと同じ「片栗粉」だけで作っていませんか? 片栗粉は揚げたては良いのですが、時間が経つと水分を吸ってベチャッとしやすいという弱点があるんです。

私も昔は、フライパンからはみ出す肉を無理やり押し込み、結果として生焼けの部分と焦げた部分が混在する、悲しいダージーパイを何度も作ってきました。

でも、安心してください。これらの問題は、すべて「準備の科学」で解決できます。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 鶏むね肉のパサつきは、揚げる前の「15分」で決まります。

なぜなら、この点は多くの人が見落としがちですが、鶏むね肉は加熱によるタンパク質の収縮が非常に激しい部位だからです。後ほど紹介する「ブライン液」と「正しい叩き方」を組み合わせるだけで、驚くほどしっとりとした仕上がりになりますよ。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。

鶏むね肉が2倍に化ける!「観音開き×ラップ叩き」で巨大化させる魔法のテクニック

ダージーパイの最大の特徴である「顔サイズ」を実現するためには、鶏むね肉と「叩き」の関係性を正しく理解する必要があります。

ただ薄くするのではなく、肉の繊維を優しく押し広げることが重要です。

まず、鶏むね肉の厚い部分に包丁を入れ、左右に開く「観音開き」を行います。

ここまでは一般的ですが、ここからがリン流のポイントです。

肉の上にラップをふんわりとかけ、麺棒や瓶の底を使って、中央から外側に向かって叩いていきます。

ラップを使用することで、肉の繊維を直接傷つけることなく、均一な厚さに広げることが可能になります。

厚さを1cm以下に揃えることで、火の通りが劇的に早くなり、結果として加熱時間を短縮してジューシーさを保つことができるのです。

専門店級のザクザク感!タピオカ粉と「ブライン液」が起こす科学反応

次に、味と食感の決め手となる「科学的アプローチ」について解説します。

ここで登場するのが、ブライン液とタピオカ粉です。

ブライン液(水・塩・砂糖を混ぜた液)は、鶏むね肉の保水力を高める魔法の液体です。

 

塩分が肉のタンパク質を分解して水分を抱え込みやすくし、砂糖がその水分を逃さないようにコーティングしてくれます。

揚げる前に15分浸けるだけで、驚くほどしっとりとした食感に変わります。

そして、衣には必ず「タピオカ粉(地瓜粉)」を使用してください。

タピオカ粉と片栗粉は似て非なるものです。

タピオカ粉は粒子が粗く、加熱しても老化(ベチャつく現象)が遅いため、時間が経ってもあの「ザクザク」とした心地よい食感が持続します。

【衣の選択で変わる!食感と持続性の違い】

特徴 タピオカ粉 (推奨) 片栗粉 (一般的)
食感 粒感のある「ザクザク」 滑らかな「カリカリ」
持続性 1時間後も食感が残る 水分を吸って柔らかくなりやすい
吸油率 低い(ヘルシーに仕上がる) やや高い
仕上がり 台湾屋台の本格的な見た目 日本の竜田揚げ風

26cmフライパンでも焼ける!はみ出す肉を攻略する「スライド揚げ焼き」の極意

いよいよ最大の難関、調理工程です。

26cmのフライパンに対して、叩き伸ばした肉は確実にはみ出します。

ここで多くの人が「肉を切る」という選択をしますが、それではダージーパイの醍醐味が失われてしまいます。

そこで私が提唱するのが、「スライド揚げ焼き法」です。

フライパンに底から1cm程度の油を引き、中火で熱します。

肉を投入する際、まずはフライパンに収まる部分から入れ、1分ほど揚げ焼きにします。

その後、トングで肉を少しずつ「スライド」させ、はみ出していた部分を油の中に誘導していくのです。

26cmフライパンとスライド揚げは、物理的な制約を技術で解決する最高のパートナー関係にあります。

この方法なら、少ない油で後片付けも楽に、かつ巨大な一枚肉を均一に揚げることができます。

まとめ

いかがでしたか?

「家では無理」と思っていた巨大なダージーパイも、ブライン液での保水、ラップを使った叩き、タピオカ粉の選択、そしてスライド揚げ焼きという4つのステップを踏めば、驚くほど簡単に、そして完璧に再現できます。

今夜、キッチンから漂う五香粉の香りと、一口食べた瞬間の「ザクッ!」という音。

そして何より、顔サイズの肉を前にしたお子さんたちの「すごーい!」という歓声を想像してみてください。

まずは、冷蔵庫にある鶏むね肉を取り出し、ブライン液に15分浸けるところから始めてみませんか?

あなたの挑戦を、心から応援しています!

[参考文献リスト]

  • 鶏むね肉がごちそうに! 台湾風唐揚げ「ダージーパイ」のレシピ。サクサクにするコツは? – FOODIE (三越伊勢丹)
  • 台湾の巨大唐揚げ“大鶏排(ダージーパイ)”のレシピ – dancyu
  • 澱粉の種類による調理特性の比較 – 日本調理科学会誌

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