カナミックネットワーク導入で後悔しないための全知識|事務長が知るべき「多職種連携」の真価と現場定着の秘策

[著者情報]

✍️ 執筆者:伊藤 誠(いとう まこと)
介護DXコンサルタント / 元・広域介護法人 事務局長
20年間にわたり現場と経営の橋渡し役としてICT導入を推進。かつて自身が主導したシステム導入で現場を大混乱させた失敗を糧に、現在は「現場を疲弊させないDX」を提唱。

理事会から「2024年度の法改正に向けて、LIFE対応とDXを完遂せよ」と厳命され、焦りを感じていませんか?

一方で、現場のリーダーからは「カナミックは使いにくいと聞く。今のままでいい」と猛反対され、板挟みになっている事務長も多いはずです。

結論から申し上げます。

カナミックネットワークは、単なる記録ソフトではなく「地域を繋ぐインフラ」です。

そのため、従来のソフトと同じ感覚で導入すると、多機能ゆえの複雑さに現場がパンクします。

しかし、事務長が「機能を絞り込む戦略」を持てば、これほど強力な武器はありません。

本記事では、元事務長の視点から、カナミックの「不都合な真実」を隠さずお伝えした上で、現場の反発を抑え、理事会を納得させるための具体的な導入ロードマップを公開します。


なぜ「カナミックは使いにくい」という声が出るのか?事務長が直面する3つの壁

現場スタッフから「カナミックは操作が難しい」という悪評が聞こえてくるのは、ある意味で当然のことです。

事務長として、まずその正体を正しく理解しましょう。

カナミックが「使いにくい」とされる最大の理由は、その圧倒的な自由度と多機能さにあります。

多くの介護ソフトが「施設内の記録」に特化しているのに対し、カナミックは医療・介護・自治体までを繋ぐ設計思想を持っています。

そのため、入力項目や設定ボタンが非常に多く、ITに不慣れなスタッフには「どこを触ればいいか分からない」という心理的障壁を生んでしまうのです。

これが、事務長が直面する「UIの複雑さと現場の反発」という直接的な因果関係です。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 導入初日に「すべての機能」をスタッフに開放してはいけません。

なぜなら、カナミックの多機能さは、準備なしに現場へ渡すと「情報の洪水」となり、業務効率を下げる原因になるからです。私はかつて、全機能を一斉開放して現場を大炎上させたことがあります。まずは「申し送り」と「LIFE必須項目」だけに絞り、他のボタンは設定で非表示にする。この「引き算のマネジメント」こそが事務長の仕事です。


理想の「多職種連携」を現実にする、カナミック独自のクラウド構造

理事会を説得する上で欠かせないのが、カナミックの構造的優位性の理解です。

カナミッククラウドという基盤は、多職種連携をリアルタイムで実現するための唯一無二の土台となっています。

従来型のパッケージソフト(パソコンにインストールするタイプ)は、拠点ごとにデータが分断されがちでした。

しかし、カナミックは創業時からクラウドネイティブであるため、特養の記録を併設の訪問看護ステーションや、外部のケアマネジャー、さらには主治医と瞬時に共有できます。

この「情報の透明性」こそが、2024年度以降の「LIFE 2.0」への対応や、地域包括ケアシステムにおける法人のプレゼンス向上に直結します。


失敗を回避する「スモールスタート」導入ロードマップ

「多職種連携」という理想を掲げつつ、現場を壊さないためには、段階的なアプローチが不可欠です。

以下の比較表を参考に、自社の導入フェーズを設計してください。

📊 比較表
カナミック導入の3段階ロードマップ】

フェーズ 重点目標 現場に開放する機能 事務長の役割
Step 1: 基礎固め LIFE加算の確実な取得 LIFE必須項目、バイタル記録 入力項目の8割を「非表示」に設定する
Step 2: 効率化 申し送りのデジタル化 掲示板、チャット機能 紙の申し送り表を物理的に撤去する
Step 3: 連携強化 多職種・外部連携 外部共有、統計分析 地域連携会議でのデータ活用を主導する

このロードマップの肝は、スモールスタートによって現場に「これならできる」という成功体験を積ませることにあります。

最初から多職種連携を目指すのではなく、まずは「LIFE対応が楽になった」という実利をスタッフに感じさせることが、最終的な現場定着への近道となります。


事務長のためのFAQ:サポート体制とコストの「不都合な真実」

最後に、導入前に必ず押さえておくべきリスクについてお答えします。

Q: 「サポートの電話が繋がらない」という噂は本当ですか?

A: 月初(レセプト期間)などは混雑するのが実情です。ただし、これはカナミックに限った話ではありません。対策として、電話に頼らず「チャットサポート」や「オンラインマニュアル」を使いこなす体制を事務局主導で構築してください。

 

Q: 結局、他社より高いのでしょうか?

A: 初期費用や月額料金だけを見れば、安価なソフトは他にあります。しかし、多拠点展開や将来の医療連携を見据えた場合、システム間の統合コスト(二重入力の人件費など)を考慮すると、カナミックの方がトータルコスト(TCO)を抑えられるケースが多いです。


まとめ:DXの主役はソフトではなく、事務長であるあなたです

カナミックネットワークは、使いこなせば法人の経営基盤を劇的に進化させる「名刀」です。

しかし、名刀ゆえに、使い手を撰びます。

現場の「使いにくい」という声に怯える必要はありません。

それは、事務長であるあなたが「機能を絞り込み、使いやすくカスタマイズする」というリーダーシップを発揮するためのサインです。

今回の法改正を、単なる「作業のデジタル化」で終わらせるか、それとも「地域に選ばれる法人」への転換点にするか。

その鍵は、ソフトの選定以上に、あなたの導入戦略に握られています。


[参考文献リスト]

スポンサーリンク