[著者情報]
市川 はるか(いちかわ はるか)
元小学校教諭(学年主任経験者)/家庭学習アドバイザー
15年間の教員生活で3,000冊以上の自学ノートを添削。「自学の神様」として、多くの子どもたちの意欲を引き出してきた。現在は、忙しい保護者向けに「最短で力がつく家庭学習術」を発信中。
「ねえ、今日の自学ネタ、何にすればいい?全然思いつかないんだけど……」
夕飯の支度でバタバタしている19時。
お鍋の火加減を気にしながら、お子さんからこう丸投げされて、思わず溜息をついたことはありませんか?
5年生になると委員会や習い事で帰宅も遅くなり、宿題に割ける時間は限られています。
それなのに、先生からは「もう少し工夫しよう」なんてコメントをもらってくると、「これ以上どうすればいいの!」と親子で途方に暮れてしまいますよね。
でも、安心してください。5年生の自学(自主学習)で高評価を得るために必要なのは、特別な才能でも、何時間もの調べ学習でもありません。
実は、元教員の私から見れば、評価されるノートには共通の「型」があります。
この記事では、お子さんが一人で30分以内に書き終え、かつ先生から「高学年らしい工夫だね!」と二重丸をもらえる「魔法のテンプレート」と「振り返り例文集」を、出し惜しみなく公開します。
なぜ5年生の自学は「漢字練習」だけじゃダメなの?先生が見ている意外な評価ポイント
「漢字練習や計算ドリルを1ページ埋めれば、立派な宿題じゃない?」
そう思われるかもしれません。
もちろん、基礎練習は大切です。
しかし、5年生という学年は、学習指導要領においても「具体から抽象へ」と、思考を深めるステップアップが求められる時期なのです。
教員がノートを開いたとき、実は「どれだけ難しいことを調べたか」はそれほど重要視していません。
私たちが二重丸をつけるのは、「自分なりの問い(なぜ?)」があり、それに対して「どう考えたか(振り返り)」が書かれているノートです。
「漢字練習」が作業になりがちなのに対し、高評価を得る自学は「思考」が伴っています。
この「振り返りの質」と「先生の評価」は、切っても切れない原因と結果の関係にあります。
「でも、うちの子にそんな深いこと書けないわ……」と不安にならなくても大丈夫です。
その「思考」を、誰でも簡単に再現できる仕組みが、次に紹介する「型」なのです。
【30分で完成】5年生が一人で書ける「魔法の自学テンプレート」2選
5年生の忙しい夜を救うのは、「比較・ランキング型」のテンプレートです。
これらは、ゼロから文章を考える苦痛を取り除き、思考の枠組みを固定することで、30分攻略という目的を確実に達成させてくれます。
1. 「どっちが〇〇?比較型」
2つの対象を並べて、共通点や違いを表にする方法です。
- ネタ例: 「昔と今の洗濯機」「北海道と沖縄の気温」「円と正多角形」
- メリット: 表を埋めるだけでノートの半分が埋まり、視覚的にも「整理されている」と評価されます。
2. 「勝手にベスト3!ランキング型」
自分の興味があるものを、独自の基準で順位付けする方法です。
- ネタ例: 「覚えにくい漢字ベスト3」「好きな歴史人物ランキング」「世界の面積大きい国TOP3」
- メリット: 「なぜその順位にしたか」という理由を書くことで、自然と「自分の考え」が盛り込まれます。

これだけで「工夫したね」と言われる!評価を爆上げする「振り返り例文集」
ノートの最後に書く「振り返り」。
ここが「楽しかったです」「難しかったです」の一言で終わっていませんか?
実は、ここを少し変えるだけで、先生の評価は劇的に変わります。
語彙力がなくても大丈夫です。以下の「振り返りフレーズ」を、そのままお子さんに選ばせてあげてください。
【先生の評価が変わる!振り返りBefore/After】
| 項目 | 普通の振り返り(B評価) | 評価が上がる振り返り(A評価) |
|---|---|---|
| 発見 | 〇〇だとわかりました。 | 「初めて知ったのは、〇〇という点です。」 |
| 疑問 | もっと調べたいです。 | 「調べてみて、次は△△についても気になりました。」 |
| 生活との関連 | 楽しかったです。 | 「このことは、普段の生活の□□に活かせそうです。」 |
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 振り返りは「今の自分」と「未来の自分」を繋ぐ言葉を選びましょう。
なぜなら、先生は「この子は次に何をしたいのか?」という意欲を見ているからです。「次は〇〇をやってみたい」という一言があるだけで、自学は「やらされる宿題」から「自ら学ぶ学習」へと昇華されます。この小さな変化が、5年生の自己肯定感を大きく育てます。
【教科別】今すぐ使える5年生向け自学ネタ・セレクト15
5年生の教科書はネタの宝庫です。
教科書の内容を少し広げるだけで、「5年生の教科書」と「自学ネタ」が土台と応用の関係になり、学習の定着率も高まります。
国語
- 難読漢字クイズ: 5年生で習う漢字の「特別な読み方」をランキング。
- ことわざ・慣用句の使い分け: 「似ている言葉」を比較型でまとめる。
- 敬語の変換表: 「尊敬語」と「謙譲語」を比較表にする。
算数
- 身の回りの「割合」探し: チラシの「〇%引き」を計算して比較。
- 円周率の不思議: いろいろな円形の物の「直径」と「円周」を測って比較。
- 図形の面積公式まとめ: 似ている図形の公式を比較型で整理。
社会
- 食料自給率ランキング: 日本が輸入に頼っている品目TOP3。
- 都道府県の「日本一」比較: 自分の県と隣の県を比較型でまとめる。
- 歴史人物の功績ベスト3: 5年生から始まる歴史の先取りランキング。
理科
- 天気の変化と雲の観察: 昨日と今日の雲の形を比較。
- メダカのオス・メス見分け方: 図解と表で違いを明確にする。
- 身近な「ふりこ」探し: ブランコや時計の動きを比較。
その他(時事・SDGs)
- 今日のニュース要約: 朝日小学生新聞などの記事を1つ選び、自分の意見を書く。
- 我が家のSDGsチェック: 節電やゴミの分別をランキング形式で評価。
- 世界の「ありがとう」比較: いろいろな国の言葉を比較型でまとめる。
まとめ:自学は「親子の衝突」を減らすチャンス
自学は、本来お子さんが「自分で考える力」を育てるためのものです。
しかし、そのために親御さんが夕飯の準備を中断してまで付き合う必要はありません。
大切なのは、「何をすればいいか」という選択肢(ネタ)と、「どう書けばいいか」という枠組み(型)を、お子さんに手渡してあげることです。
まずは今日、この記事の「ランキング型」を一つ選んで、「これ、30分でやってみない?」と声をかけてみてください。
お子さんが一人でノートを完成させ、翌日先生から褒められたとき、きっと親子の夜に少しだけ笑顔が増えるはずです。
[参考文献リスト]
- 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 – 文部科学省
- 自学の広場 – 新興出版社啓林館
- 小学生の学習に関する調査 – ベネッセ教育総合研究所
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