Fラン大学廃止論の真実|500万円の学費を「捨てる親」と「活かす親」の決定的な違い

「Fラン大学は即刻廃止すべきだ」

ネット上では、そんな威勢のいい言葉が毎日のように飛び交っています。

しかし、高校3年生の息子さんを持つ保護者の方にとって必要なのは、誰かの正義感や極論ではありません。

「うちの子をこの大学に行かせて、4年間の時間と500万円もの学費を投じる価値が本当にあるのか?」という、切実な答えのはずです。

結論から申し上げます。

すべてのFラン大学がすぐに消えるわけではありませんが、私立大学の約5割が定員割れを起こしており、経営破綻のリスクはかつてなく高まっています。

本記事では、20年にわたり大学経営の現場を分析してきた私、高橋誠が、公的データに基づいた「親のための大学投資判断基準」を公開します。

偏差値という物差しを一度捨て、大切なお金と子供の未来を守るための「生き残る大学」の見極め方を、共に学んでいきましょう。


[著者情報]

高橋 誠(たかはし まこと)
教育ジャーナリスト / 大学経営アナリスト。20年にわたり全国800校以上の大学を独自調査し、文部科学省の統計データに基づいた「大学淘汰予測」を数多く的中させてきた。一人の親として、教育投資の重みを説く姿勢に定評がある。

なぜ今「Fラン廃止」が叫ばれるのか?親が知っておくべき2024年問題の正体

「定員割れの大学に、なぜ私たちの税金(私学助成金)が使われているのか」

こうした厳しい世論が、Fラン大学廃止論の背景にはあります。

しかし、この議論が今、急速に現実味を帯びている最大の理由は、「18歳人口の急減」と「大学倒産リスク」が直結するフェーズに入ったからです。

2024年は、日本の18歳人口がさらに一段階減少する「2024年問題」の分岐点と言われています。

大学の数は増え続けてきた一方で、入学する学生の数は減り続けています。

この18歳人口と大学数のミスマッチが、多くの大学を経営危機へと追い込んでいます。

 

保護者の皆様に直視していただきたいのは、私立大学の53.3%が定員未充足、つまり「定員割れ」状態にあるという事実です。

学生が集まらなければ授業料収入が減り、大学の経営は立ち行かなくなります。

かつては「大学は潰れない」という神話がありましたが、現在は文部科学省も経営困難校への「撤退支援」を強化しており、選別は既に始まっているのです。


偏差値では見抜けない「消える大学」と「生き残る大学」を分ける3つの客観的指標

佐藤さん、大学を選ぶ際に「偏差値」だけを見ていませんか?

実は、偏差値が低くても経営が健全で就職に強い大学もあれば、偏差値はそこそこでも経営破綻寸前の大学も存在します。

500万円の投資を無駄にしないためには、以下の3つの客観的指標をチェックしてください。

  1. 定員充足率(80%割れは危険信号)
    入学定員に対して、実際に何人の学生が入学したかを示す数値です。これが恒常的に80%を割り込んでいる大学は、私学助成金がカットされる対象となり、経営破綻のカウントダウンが始まっている可能性があります。
  2. 経常収支比率(財務の健全性)
    大学の運営費用が、授業料や助成金などの収入で賄えているかを示します。この比率が100%を継続的に下回っている場合、貯金を切り崩して運営している状態であり、教育環境の悪化が懸念されます。
  3. 退学率(学生の満足度)
    「せっかく入学したのに辞めてしまう学生」が多い大学は、教育内容や学生サポートに問題があるケースが少なくありません。退学率の低さは、その大学が学生をどれだけ大切に育てているかの証左です。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 志望校の公式サイトで「情報の公開」ページを探し、最新の「定員充足率」と「財務諸表」を必ず親子で確認してください。

なぜなら、この点は多くの保護者が「難しくてわからない」と見落としがちですが、大学側がこれらの数字を分かりやすく公開しているかどうかが、経営の透明性と誠実さを測る最初のハードルになるからです。数字を隠したがる大学への500万円の投資は、極めてリスクが高いと言わざるを得ません。



500万円の投資価値はあるか?「Fラン卒」の就職実態とROI(投資回収率)の現実

「Fラン大学に行っても就職できない」という極論がありますが、これは正確ではありません。

偏差値が低くても、特定の資格取得や地元企業との強固なパイプを持つ大学は、高い投資対効果(ROI)を生み出します。

一方で、目的なく「とりあえず大卒の肩書きが欲しい」という理由で、教育付加価値の低い大学に500万円を投じるのは、経済的な観点からはお勧めできません。

以下の比較表を見てみましょう。

📊 比較表

学歴別・生涯賃金と投資回収のシミュレーション(推計)】

区分 推定生涯賃金 学費・投資額 投資回収の視点
高卒 約2.1億円 0円 早期に収入を得られるが、昇給幅に限界があるケースが多い。
Fラン大卒(教育充実校) 約2.5億円 約500万円 資格取得や地元優良企業への就職により、投資分を十分に回収可能。
Fラン大卒(教育停滞校) 約2.2億円 約500万円 大卒資格は得られるが、非正規雇用や早期離職のリスクがあり、投資回収が困難。
中堅・上位大卒 約2.9億円〜 約500万円 大手企業への門戸が広く、投資回収率は極めて高い。
出典: ユースフル労働統計2023 – 労働政策研究・研修機構(JILPT)のデータを基に推計

重要なのは、「その大学が、4年間で子供にどのようなスキル(付加価値)を授けてくれるか」です。

例えば、偏差値は40前後でも、看護師や保育士の国家試験合格率が全国平均を上回っている大学や、地元の中堅メーカーへの就職率が異常に高い大学があります。

こうした「出口」が明確な大学への500万円は、子供の将来を守るための「生きた投資」となります。


【Q&A】もし入学後に大学が潰れたら?保護者が抱く「最後のアナログな疑問」に答える

保護者の方が最も恐れているのは、「在学中に大学が倒産し、学歴も学費も失うこと」ではないでしょうか。

専門家として、よく受ける質問に誠実にお答えします。

Q1:在学中に大学が倒産したら、子供はどうなるのですか?

A1: 原則として、文部科学省の指導により、近隣の協力大学への「転学」が斡旋されます。学びを継続する権利は守られますが、希望する学部や学科が必ずしもあるとは限らず、通学環境が大きく変わるリスクは避けられません。

 

Q2:卒業後に母校がなくなったら、学歴は無効になりますか?

A2: 学歴が無効になることはありません。卒業証明書などの発行業務は、廃止後に指定された別の機関(他の学校法人や同窓会など)に引き継がれます。ただし、転職時に「母校が存在しない」という事実は、心理的なマイナス要因になる可能性は否定できません。

 

Q3:私学助成金がカットされる大学は、すぐに潰れるのですか?

A3: すぐに倒産するわけではありませんが、助成金カットは「経営改善の最終警告」です。

「私立大学等経常費補助金は、経営状況が著しく悪化し、改善の見込みがないと判断される大学に対しては、不交付または減額の措置が講じられる。」

出典: 私立大学等経常費補助金取扱要領 – 文部科学省

この私学助成金の不交付という事態は、大学経営における「レッドカード」に近い状態であることを認識してください。


まとめ:偏差値という物差しを捨て、「財務と出口」で選ぶ

「Fラン大学廃止論」という言葉の裏にあるのは、少子化という避けられない現実と、大学の質の二極化です。

大切なお子さんの進路を考える今、どうか「偏差値」という一つの物差しだけで判断しないでください。

500万円という大金、そしてお子さんの貴重な4年間を託すに値する大学かどうか。

それを決めるのは、ネットの極論ではなく、「定員充足率」という数字であり、「就職実績」という出口の確かさです。

まずは今日、お子さんと一緒に志望校のホームページを開き、「定員充足率」を調べることから始めてみてください。

その一歩が、お子さんの未来を、そして佐藤さんの家計を守る確かな防波堤になるはずです。


[参考文献リスト]

 

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