チュクミとは?正体はタコ?新大久保の流行を自宅で再現する「代用タコ」失敗回避ガイド

[著者情報]

韓食(ハンシク)マイスター・サキ
韓国料理研究家。ソウル在住経験を活かし、本場の味を日本の家庭で再現するレシピを発信中。SNSのレシピ動画は累計100万再生を突破。
ペルソナへのメッセージ: 「初めてチュクミを作った時、タコから水が出てベチャベチャの『ピリ辛煮』にしてしまったのは私です(笑)。その失敗から学んだ、スーパーのタコでもプロの味にする秘訣を伝授します!」


Instagramのストーリーズを開くと流れてくる、真っ赤な鉄板の上でプリプリと踊るタコ。

友人が「新大久保でチュクミ食べてきた!激辛だけど最高」と投稿しているのを見て、「あの料理、一体なに?」「タコ料理なのはわかるけど、普通のタコと何が違うの?」と気になって検索窓を叩いたのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、チュクミの正体は「イイダコ」という小さなタコです。

そして、わざわざ新大久保の行列に並ばなくても、あるいは手に入りにくいイイダコを探し回らなくても、スーパーで売っている「普通のタコ(マダコ)」と「ある調理のコツ」さえあれば、あの感動の味は自宅で再現できます。

この記事では、チュクミの正体から、家庭で絶対に失敗しない(水っぽくならない)調理法、そして最後の一口まで楽しむ本場の作法まで、韓食マイスターの私が徹底解説します。


SNSで話題の「チュクミ」って結局なに?正体と人気の秘密を徹底解剖

「チュクミ(주꾸미)」とは、韓国語で「イイダコ」そのものを指す言葉です。

日本では料理名として定着していますが、本来は食材の名前なんですね。

私たちが普段スーパーで見かける大きな「マダコ」と、チュクミに使われる「イイダコ」には、明確な違いがあります。

イイダコはマダコに比べてサイズが格段に小さく、身が非常に柔らかいのが特徴です。

また、頭(胴体)の中に「飯(いい)」と呼ばれる卵や内臓が入っており、丸ごと調理することで濃厚な旨味をダイレクトに味わえます。

新大久保を中心にチュクミが爆発的な人気を博している理由は、その「圧倒的な視覚インパクト」と「中毒性のある辛さ」にあります。

真っ赤なヤンニョム(合わせ調味料)を纏ったタコが鉄板で焼かれる姿は、まさにSNS映えの極致。

さらに、カプサイシンによる刺激的な辛さは、日々のストレスを吹き飛ばしてくれるリフレッシュ体験として、トレンドに敏感な女性たちの心を掴んで離しません。

チュクミとマダコは、いわば「本家」と「代用」の関係にありますが、その食感や旨味の構成が異なることを理解しておくことが、自宅再現への第一歩となります。


イイダコがなくても大丈夫!「普通のタコ」でプリプリに仕上げるプロの裏技

「チュクミを作りたいけど、近所のスーパーにイイダコなんて売っていない……」と諦める必要はありません。

一般的なマダコでも、調理法次第でチュクミ特有のプリプリ感を再現することは十分に可能です。

ただし、多くの人が陥る最大の失敗が、「タコから水分が出て、炒め物ではなく『煮物』のようになってしまう」ことです。

マダコは水分を多く含んでいるため、そのままヤンニョムと炒めると、浸透圧で水が溢れ出し、味がぼやけてしまいます。

これを防ぐためのプロの裏技が、「事前の湯通し」と「強火での短時間調理」です。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: マダコを使う場合は、必ず沸騰したお湯で10秒だけ「下茹で」してから炒めてください。

なぜなら、このひと手間でタコの表面がコーティングされ、炒める時に水分が出るのを劇的に抑えられるからです。私はこの方法に辿り着くまで、何度もベチャベチャのチュクミを食べてきましたが(笑)、下茹でさえすれば、スーパーのタコでも驚くほど味が凝縮されます。

 


本場流の楽しみ方!「チュサム」への進化と、絶対外せない「締め」の作法

チュクミの魅力は、タコ単体にとどまりません。

今、新大久保で最も支持されているスタイルが、「チュサム」です。

チュサムとは、チュクミとサムギョプサル(豚バラ肉)を組み合わせた料理のこと。

激辛のヤンニョムに豚バラ肉の甘い脂が溶け出すことで、辛さがマイルドになり、味に深いコクが生まれます。

ヤンニョムと豚バラ肉は、辛味と旨味を補完し合う最高の相棒(シナジー)関係にあるのです。

そして、チュクミ体験を完結させるために絶対に欠かせないのが、残ったタレで作る「ポックンパ(炒飯)」です。

チュクミを120%楽しむためのトッピング・味変リスト】

アイテム 役割 特徴・おすすめの食べ方
エゴマの葉 包み野菜 独特の香りが激辛ヤンニョムと相性抜群。
マヨネーズ 辛味緩和 辛さが限界の時の救世主。ディップして食べるとコクがアップ。
酢大根(サンム) 口直し 甘酸っぱさとシャキシャキ感で、口の中をリセット。
とびっこ 締めの主役 ポックンパに投入。プチプチ食感が加わり、贅沢な仕上がりに。

特に、とびっこをたっぷり入れた「アルマニ(とびっこ入り)ポックンパ」は、新大久保の行列店でも一番人気の締めメニュー。

タコの旨味を吸ったご飯と、弾けるとびっこの食感は、一度食べたら忘れられない体験になります。


辛いのが苦手でも大丈夫?チュクミを120%楽しむためのQ&A

最後に、チュクミに初めて挑戦する方が抱きがちな不安にお答えします。

Q:激辛は苦手なのですが、食べられますか?

A:大丈夫です!本場韓国でも、辛さを和らげるために「エゴマの葉に酢大根をのせ、マヨネーズをつけたチュクミを包んで食べる」のが定番のスタイル。

これなら辛さが中和され、旨味だけを存分に楽しめます。

 

Q:最近流行りの「ナッコプセ」とは何が違うの?

A:ナッコプセは「ナクチ(手長タコ)」「コプチャン(ホルモン)」「セウ(海老)」の頭文字をとった鍋料理です。

チュクミが「炒め物」であるのに対し、ナッコプセはスープを楽しむ「鍋」に近い料理。

より濃厚なコクを求めるならナッコプセ、タコの食感とキレのある辛さを楽しむならチュクミがおすすめです。

 

Q:冷凍のタコを使っても美味しく作れますか?

A:もちろんです。

ただし、解凍時に出るドリップ(水分)をしっかり拭き取ることが重要。

冷凍タコも、前述の「10秒湯通し」をすることで、生鮮品に負けないプリプリ食感に仕上がります。


まとめ

チュクミの正体はイイダコですが、その本質は「刺激的な辛さとタコの旨味を、仲間とワイワイ楽しむ体験」そのものにあります。

  1. 正体はイイダコ。でもスーパーのマダコで代用OK!
  2. 失敗しないコツは「10秒の下茹で」と「強火短時間」。
  3. 豚バラ(チュサム)と締めのポックンパで、体験を最大化。

この3点さえ押さえれば、あなたのキッチンは今日から新大久保の人気店に早変わりします。

今度の週末、スーパーのタコ売場へ行くのが楽しみになりますね。

激辛のチュクミで汗をかいて、日頃のストレスをスッキリとデトックスしてみませんか?


[参考文献リスト]

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