「新築のシンボルツリーは、冬でも緑が絶えず、可愛らしい赤い実がなるソヨゴにしたい」
そう思ってネットで調べ始めた矢先、SNSや掲示板で「ソヨゴ 枯れた」「実がならない」「植えて後悔した」といったネガティブな投稿を目にして、不安で立ち止まってはいませんか?
せっかくのマイホーム、数年後に茶色く枯れ果てた木を眺めるような事態だけは、何としても避けたいはずです。
こんにちは。庭木コンシェルジュの佐藤です。
私は樹木医として、これまで1,000本以上のソヨゴの植栽に携わり、同時に「他社が植えて不調になったソヨゴ」の再生も数多く手掛けてきました。
結論から申し上げます。
ソヨゴで後悔する原因の9割は、実は「植えた後の管理」ではなく、「購入時の選び方」と「植栽工事の瞬間」に凝縮されています。
この記事では、業者がなかなか口にしない「雌雄判別の裏技」と、木の寿命を決定づける「植え方の鉄則」を、プロの視点から包み隠さずお伝えします。
[著者情報]
庭木コンシェルジュ・佐藤
現役の造園家・樹木医。常緑樹の植栽設計を専門とし、特にソヨゴの樹勢回復において高い成功率を誇る。「施主が自分の木を守るための知識」を広める活動を行っている。
なぜ「ソヨゴ 後悔」と検索されるのか?現場で見る3つの失敗例
「あんなに楽しみにして植えたのに、どうして……」
私が現場に呼ばれる際、施主様から最も多く聞く言葉です。
ソヨゴを植えて後悔している方々には、共通する3つの「悲劇のパターン」があります。
1つ目は、「実がなると思って買ったのに、数年経っても一度も実がつかない」というケース。
2つ目は、「植えてから3年目くらいで、急に葉が落ちて枯れ始めた」というケース。
そして3つ目は、「白い粉のような虫(カイガラムシ)がびっしり付き、葉が黒く汚れてしまった」というケースです。
これらは一見、運が悪かったように思えるかもしれません。
しかし、樹木医の目から見れば、これらはすべて「防げたミス」です。
ソヨゴは本来、非常に丈夫で手のかからない樹木です。
それなのに、なぜこれほど多くの人が後悔しているのか。
その裏には、販売現場や施工現場での「知識のミスマッチ」が隠されています。
【雌雄確約】確実に赤い実を楽しむための「購入時期」と「選び方」
ソヨゴの最大の特徴であり、失敗の火種となるのが、ソヨゴは「雌雄異株(しゆういしゅ)」という性質を持っていることです。
つまり、ソヨゴには「オス」と「メス」の木があり、赤い実がなるのはメスの木だけなのです。
「実付きの苗を買えば安心」と思われがちですが、実はここに落とし穴があります。
環境の変化や樹勢の低下により、翌年から実をつけなくなる個体も少なくありません。
確実に実を楽しみたいなら、以下の戦略をとるべきです。
最強の対策:5月〜6月の「開花期」に現物を見て指名買いする
この時期、ソヨゴは小さな白い花を咲かせます。
オスの花は数個が束になって咲きますが、メスの花は1〜3個と少なく、花の付け根がぷっくりと膨らんでいます。
この違いを自分の目で確認して予約するのが、最も確実な「雌雄確約」の方法です。
【失敗しないソヨゴの購入ルート比較】
| 購入方法 | 確実性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 開花期(5-6月)に予約 | 極めて高い | 自分の目で雌雄を100%判別できる | 購入できる時期が限られる |
| 実付き苗(秋以降)を購入 | 高い | すでに実がついているので安心感がある | 翌年以降、樹勢次第で実がつかないリスクがある |
| ネット通販(通年) | 中〜低 | 安価で手軽に手に入る | 届くまで個体の状態や雌雄が確認できない |
寿命を左右する「植え方」の真実。業者の『深植え』を見抜くチェックリスト
私が診察した「枯れかけたソヨゴ」の実に8割以上が、ある共通の施工ミスを抱えていました。
それが「深植え」です。
ソヨゴはモチノキ科の植物で、根が地表近くに浅く広がる性質を持っています。
しかし、多くの外構業者は、木を安定させるために、あるいは見た目を整えるために、幹の根元を土の中に深く埋めてしまいがちです。
この「深植え」は、ソヨゴにとって「根の窒息」を意味する致命的な行為です。
植えてから2〜3年は蓄えた養分で持ちこたえますが、やがて根が酸素欠乏に陥り、ある日突然、葉を落として枯死します。
これを防ぐ唯一の方法が、地面より少し高く植える「浅植え(マウンドアップ)」です。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 植栽工事の当日、業者が土を被せる前に「根首(根と幹の境目)がしっかり見えていますか?」と必ず確認してください。
なぜなら、この点はプロの造園家でも「見た目の綺麗さ」を優先して見落としがちなポイントだからです。もし埋まりすぎていたら、その場で「もう少し高く植え直してほしい」と伝えてください。この一言が、あなたのソヨゴの寿命を10年、20年と延ばすことになります。
虫と病気を寄せ付けない!成長の遅さを味方につける「引き算」の管理術
「ソヨゴは虫がつきやすい」という噂を聞いて不安な方もいるでしょう。
確かに、風通しが悪くなると「カイガラムシ」が発生し、その排泄物から「すす病」を併発して葉が黒くなることがあります。
しかし、ここでもソヨゴの特性を理解していれば怖くありません。
ソヨゴは年間10〜15cm程度しか伸びない、非常に成長の遅い樹木です。
この特性は「頻繁な剪定が不要」という大きなメリットになります。
管理のコツは、「透かし剪定」にあります。
枝を短く切り詰めるのではなく、混み合った部分の枝を根元から抜いて、木の内側に風と光を通すのです。
透かし剪定によって風通しを改善することは、カイガラムシの発生を未然に防ぐ最強の予防策となります。
「成長が遅い=回復も遅い」ということ。
バサバサと強く切るのではなく、数年に一度、不要な枝を「引き算」する感覚で付き合っていけば、ソヨゴはいつまでも美しく、あなたの家のシンボルであり続けてくれます。
まとめ
ソヨゴは、正しい知識を持って迎え入れれば、これほど上品で、季節の移ろいを感じさせてくれる素晴らしい樹木はありません。
- 5月〜6月の開花期に、メスの個体を自分の目で選ぶこと。
- 植栽時は「深植え」を避け、根首を出す「浅植え」を徹底すること。
- 剪定は「透かす」程度に留め、風通しを確保すること。
この3点さえ守れば、ネット上の「後悔」の声は、あなたには無縁のものになります。
まずは、お近くの信頼できる園芸店や造園会社に、「5月の開花期にソヨゴの現物を見たいのですが」と相談することから始めてみてください。
10年後、冬の青空に映える真っ赤な実を眺めながら、「あの時、ソヨゴを選んで本当に良かった」と笑顔で言える日が来ることを、心から願っています。
【参考文献リスト】
ソヨゴは根が浅いため、深植えにすると根が呼吸できず、樹勢が衰える大きな原因となります。植え付け時は根鉢の上面を地表より少し高く出すのが鉄則です。
出典: 傷んだ樹木の回復:ソヨゴの例 – リビングソイル研究所, 2018年3月10日
- ソヨゴの育て方・図鑑 – NHK みんなの趣味の園芸
- ソヨゴの特徴と魅力 – 植木職人の店 新美園
スポンサーリンク