オンライン英会話のレッスン中、講師から “What do you want to do then?” と聞かれて、「えっ、『その時』ってどの時のこと?」と頭が真っ白になった経験はありませんか?
実は、ネイティブが会話で使う “then” の多くは、私たちが中学で習った「その時」という意味ではありません。
特に文末に置かれる “then” は、前の話を引き継ぐ「接着剤」のような役割を果たしています。
私は元外資系IT企業の営業として、数多くの商談でこの “then” の洗礼を受けてきました。
当時はフリーズしてばかりでしたが、ある「法則」に気づいてから、リスニングもスピーキングも劇的に楽になったのです。
この記事では、会話の最中に 0.5秒で意味を判定できる「配置別フローチャート」 を伝授します。
これを読めば、もう “then” にビクビクすることなく、自然な相槌で会話をリードできるようになりますよ。
[著者情報]
ケンジ / ビジネス英語コーチ
元外資系IT企業営業。現在はビジネス特化型の英語コーチとして活動。TOEIC 990点。
営業時代、会議中に “then” の意味を取り違えて大失態を演じた経験から、談話標識(会話の繋ぎ語)の研究を開始。「暗記ではなく配置で理解する」独自のメソッドで、500名以上のビジネスパーソンの「英語フリーズ」を解消している。
なぜ講師の “What do you want to do then?” でフリーズしてしまうのか?
オンライン英会話でよくある光景です。
あなたが「週末は雨みたいですね」と話し、講師が “What do you want to do then?” と返してくる。
この時、多くの学習者が「その時(雨が降っている時)に何をしたいか?」と、存在しない「特定の時間」を脳内で必死に探してしまいます。
これが「フリーズ」の正体です。
実は、この文末の “then” は「じゃあ」「それなら」という、前の話を受けた単なる合図に過ぎません。
日本語の「じゃあ、どうする?」の「じゃあ」と同じ役割です。
多くの人が「辞書に意味が多すぎて、どれを選べばいいか分からない」と悩みますが、それは「意味」から入ろうとしているからです。
英会話というスピード勝負の場では、意味を考える前に「場所」を見る。
これが鉄則です。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 文末の “then” が聞こえたら、訳そうとせずに「(これまでの話を受けて)じゃあ」という相槌として処理してください。
なぜなら、この点は多くの人が「時間」の概念に縛られて見落としがちですが、文末の “then” は相手の発言を前提条件として受け取ったことを示す「確認のシグナル」だからです。この「訳さない勇気」を持つだけで、会話のテンポは劇的に改善します。
【0.5秒判定】配置でわかる “then” の3つの顔
英会話の最中に辞書を引く時間はありません。
そこで活用してほしいのが、「配置(場所)」だけで意味を特定するフローチャートです。
英語の “then” は、置かれる場所によって役割が明確に決まっています。
- 文頭の then: 「それから」「次に」という 【順序】
- 文中の then: 「その時」という 【時間】(※実は会話では一番少ない!)
- 文末の then: 「じゃあ」「それなら」という 【確認・相槌】
この関係性を理解しておけば、講師が文末で “then” と言った瞬間に、「あ、これは『じゃあ』って言ってるんだな」と0.5秒で判断できるようになります。

もう迷わない! “then” と “than” を一瞬で見分ける「機能別」攻略法
“then” を学ぶ上で避けて通れないのが、スペルが似ている “than” との混同です。
「比較の時はどっちだっけ?」と迷うのは、形が似ているからです。
しかし、この2つは「機能」が全く異なる別物だと考えれば、もう迷うことはありません。
- then: 「次」や「結果」を示す 【論理の接着剤】
- than: 「AとB」を比べる 【比較の物差し】
「比較の物差し」である “than” は、必ず比較級(-er や more)とセットで現れます。
逆に言えば、比較級がない文で “than” が出てくることはありません。
📊 比較表
【then と than の決定的な違い】
| 項目 | then (ゼン) | than (ザン) |
|---|---|---|
| 主な意味 | それから、じゃあ、その時 | 〜よりも |
| 核心的な機能 | Next / Result (次・結果) | Comparison (比較) |
| 見分け方 | 文頭や文末に単独で現れやすい | 前に比較級(-er / more)がある |
| 覚え方 | 「e」は End(文末)や Extra(追加) | 「a」は And B(AとBを比べる) |
ビジネスで差がつく!「それなら〜しましょう」と提案する攻めの “then” 活用術
ここまでは「受け身」の “then” を解説しましたが、IT営業の現場などで主導権を握るためには、自分から “then” を使って提案するスキルが欠かせません。
特に便利なのが、文頭に置く “Then, …” です。
これは、相手の要望や課題を聞いた後に、「それなら(=あなたの課題を前提とするなら)、こうしましょう」と論理的な解決策を提示する際の強力な武器になります。
例えば、クライアントから「予算が厳しい」と言われた時。
“I understand. Then, how about this plan?”
(承知しました。それなら、こちらのプランはいかがでしょうか?)
このように “then” を文頭に置くことで、あなたの提案が「相手の話をしっかり踏まえた上での論理的な帰結」であることを強調できます。
単に “How about…” と言うよりも、ずっとプロフェッショナルで説得力のある響きになります。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 相手の意見に反対したい時こそ、一度 “I see.” と受け止めてから “Then, …” と切り出してみてください。
なぜなら、”then” は「前の話を受けて」というニュアンスを含むため、相手は「自分の話を聞いてくれた上での提案だ」と感じ、心理的な抵抗感が下がるからです。これは外資系企業のタフな交渉現場で私が学んだ、最もシンプルで効果的なコミュニケーション術の一つです。
まとめ: “then” は会話の接着剤。これでもう、相槌に困ることはありません。
“then” は、単なる「時間」を表す単語ではありません。
会話をスムーズに流し、論理を組み立てるための 「接着剤」 です。
- 文末の then が聞こえたら、「じゃあ」という相槌として受け流す。
- 文頭の then を使って、「それなら」と論理的に提案する。
この2点を意識するだけで、あなたの英会話は「単語の羅列」から「論理的なコミュニケーション」へと進化します。
次の英会話レッスンでは、講師が文末に “then” を付けた瞬間に、ニヤリとしてみてください。
「あ、今『じゃあ』って言ったな」と確信を持てた時、あなたのフリーズは完全に解消されているはずです。
[参考文献リスト]
- Cambridge Dictionary: Then – Cambridge University Press
- BBC Learning English: The Grammar Gameshow – Then vs Than – BBC
- Oxford Learner’s Dictionaries: then_1 adverb – Oxford University Press
スポンサーリンク