当該とは?意味・読み方・該当との違いを例文付きで解説

上司から「当該案件の進捗を確認してください」とメールが届いたとき、「当該って何を指しているの?」「該当案件とは違うの?」と迷ったことはありませんか。

「当該」と「該当」は漢字が似ているため、意味も同じように思えますが、一般的な使い方には違いがあります。

「当該」は話題になっている特定の対象を指し、「該当」は条件や基準に当てはまることを表す言葉です。

この記事では、読み方や意味はもちろん、ビジネスメールでの例文、自然な言い換え、間違えやすい使い方まで分かりやすく解説します。

読み終えるころには、仕事の文章でも自信を持って使い分けられるようになるでしょう。

当該とは?意味と読み方

「当該」は「とうがい」と読み、今話題になっている事柄に直接関係する対象を指す言葉です。

ビジネス文書や公的な文章など、やや改まった場面でよく使われます。

辞書の語義を確認する際は、コトバンク「当該」に掲載されている『デジタル大辞泉』などが参考になります。

当該の意味を具体例で理解しよう

例えば、上司から「当該資料を確認してください」と指示された場合、一般的には、話題になっている特定の資料を確認してほしいという意味です。

「当該」は、単に何かに関係があるというだけでなく、文章の前後関係から、どの対象を指しているかが分かるように使う表現です。

表現 意味
当該案件 話題になっている特定の案件
当該資料 話題になっている特定の資料
当該人物 話題になっている特定の人物
当該部署 話題になっている特定の部署

例えば、会議でA社との契約について話しているときに「当該契約を確認する」と言えば、通常は話題になっているA社との契約を指します。

このように、「当該」は、対象を毎回詳しく言い直さなくても、何について話しているのかを明確にするために使われます。

当該と該当の違い

「当該」と「該当」は、対象を指し示すのか、条件に当てはまることを表すのかという点で区別すると理解しやすくなります。

当該と該当の比較表

📊 【当該と該当の意味・使い方】

比較項目 当該(とうがい) 該当(がいとう)
基本的な意味 話題になっている対象を指す 条件や基準などに当てはまる
主な使い方 当該案件、当該資料 条件に該当する、該当者
文章での役割 特定の対象を示す 条件との一致を示す
例文 当該資料をご確認ください 条件に該当する資料を選んでください
覚え方 「どの対象か」を示す 「条件に合うか」を示す

この違いを理解するうえでは、どちらが正しいかを単語だけで判断するのではなく、文章全体で何を伝えたいのかを確認することが大切です。

例文で比較すると違いが分かる

当該資料を確認してください。

話題になっている特定の資料を確認してほしい、という意味です。

条件に該当する資料を確認してください。

指定された条件に当てはまる資料を確認してほしい、という意味です。

前者は対象を指し示し、後者は条件との一致を表しています。

「当該」と「該当」は似た言葉ですが、単純に入れ替えられるわけではありません。

マイナビニュースの「当該と該当の違いとは?」でも、意味と正しい使い方が解説されています。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 「当該」と「該当」で迷ったら、指したい対象がすでに話題になっているのか、それとも何らかの条件に当てはまるのかを確認しましょう。

言葉の形だけで覚えるより、文章の中で果たす役割を理解する方が、実際のメールや書類でも判断しやすくなります。

「当該」と「該当」の使い分けフロー

何を伝えたい文章ですか?

すでに話題になっている対象を指したい

(1)当該

例:当該案件を確認する

条件や基準に当てはまることを示したい

 

(2)該当

例:条件に該当する

迷ったときは、前後の文章も確認しましょう。単語だけでなく、文全体の意味に合わせて選ぶことが重要です。

 

当該の正しい使い方と例文

「当該」は、主に「案件」「資料」「人物」「部署」などの名詞と組み合わせて使います。

仕事のメールや報告書では、対象を明確に示したいときに役立ちます。

1. 「当該案件」の使い方

「当該案件」は、すでに話題になっている特定の案件を指します。

例文

当該案件の進捗状況について、明日までにご報告いたします。

この文章では、前後のやり取りなどで対象となる案件が分かっていることが前提です。

初めて案件について説明する場合は、案件名や取引先名などを先に示すと、読み手に伝わりやすくなります。

2. 「当該資料」の使い方

「当該資料」は、話題になっている特定の資料を指す表現です。

例文

ご依頼いただいた当該資料を添付いたしましたので、ご確認ください。

相手がどの資料を指しているか分からない場合は、「4月度売上報告書」など、具体的な資料名を記載すると誤解を防ぎやすくなります。

3. 「当該部署」の使い方

「当該部署」は、話題になっている特定の部署を指します。

例文

詳細につきましては、当該部署にお問い合わせください。

ただし、対象となる部署が文脈から分からない場合には、「営業企画部」などの正式名称を記載する方が親切です。

4. ビジネスメールでの使い方

ビジネスメールでは、「当該」を使うことで文章を簡潔にできます。

一方、使いすぎると堅苦しく感じられることもあります。

📊 【ビジネスメールでの使用例】

目的 堅めの表現 分かりやすい表現
資料を確認してほしい 当該資料をご確認ください。 添付資料をご確認ください。
案件について報告する 当該案件の進捗をご報告します。 こちらの案件の進捗をご報告します。
部署へ問い合わせる 当該部署へお問い合わせください。 担当部署へお問い合わせください。

言い換えは、文章の意味を保てる場合に限って行います。

例えば「添付資料」は実際に添付されている資料を指すため、単に話題になっている資料を指す「当該資料」と必ず同じ意味になるわけではありません。

5. 契約書や規程で見かける「当該」

契約書や社内規程では、「当該」が対象の範囲を明確にするために使われることがあります。

例えば、ある条項で特定の契約や設備について定義した後、後続の文章で「当該契約」「当該設備」と記載するケースです。

このような文章では、単語だけで対象を推測せず、前後の条文や定義を確認することが重要です。

契約内容の解釈が重要な場面では、一般的な日本語の意味だけで法的な結論を出さないようにしましょう。

当該の類語・言い換え表現

「当該」は少し堅い印象のある言葉です。

一般向けの文章や日常的なメールでは、「その」「当の」などに言い換えると、自然で読みやすい文章になる場合があります。

ただし、類語であっても意味や使える場面は異なります。文章全体の意味を確認して選びましょう。

当該の言い換え一覧

言い換え表現 意味・ニュアンス 使用例
その 前に出てきた対象を指す一般的な表現 その資料を確認してください
当の 話題の本人・事柄そのものを指す 当の本人に確認する
該当する 条件や基準に当てはまる 条件に該当する人を選ぶ
関連する 何らかの関係があることを示す 関連する資料を確認する
前述の すでに前で述べた対象を指す 前述の契約内容を確認する
対象の 対象となるものを明確に示す 対象の資料を確認する

どの言い換えを選べばよい?

判断に迷ったときは、次の3点を確認してください。

  1. すでに話題になっている対象なら「その」:一般的なメールや説明文で使いやすい表現です。
  2. 本人や事柄そのものを強調するなら「当の」:「当の本人」のような形で使います。
  3. 条件に合うことを伝えるなら「該当する」:「条件に該当する人」のように使います。

契約書や規程では、単純に言い換えると対象の範囲や文章の意味が変わる可能性があります。

正確性が重要な文書では、読みやすさだけを理由に置き換えないようにしましょう。

当該を使う際の注意点

「当該」は、意味を理解していても、文章の中で使い方を間違えることがあります。

特に注意したいポイントを確認しておきましょう。

注意点1:「当該する」と書かない

一般的なビジネス文書では、「当該する」という表現は避けましょう。

  • 不自然な例:この条件に当該する人を選んでください。
  • 自然な例:この条件に該当する人を選んでください。

条件や基準に当てはまることを表すのは「該当する」です。

一方、「当該」は「当該案件」「当該資料」のように、対象を指す形で使うのが一般的です。

注意点2:何を指しているのか明確にする

「当該」は、前後の文章から対象が分かる場合に使うと便利です。

例えば、何の説明もないまま「当該資料をご確認ください」と伝えても、相手がどの資料を指しているのか分からない可能性があります。

その場合は、次のように具体的な情報を補いましょう。

  • 分かりにくい例:当該資料をご確認ください。
  • 分かりやすい例:先ほどお送りした4月度売上報告書をご確認ください。

相手が対象を特定できるかどうかを考えることが大切です。

注意点3:日常的な文章では堅すぎる場合がある

「当該」は、ビジネス文書や公的な文章では便利ですが、日常的なメールや会話では堅苦しく感じられることがあります。

例えば、同僚への簡単な連絡なら「その資料を確認してください」の方が自然な場合があります。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 「当該」を使う前に、読み手が対象を迷わず特定できるかを確認しましょう。

対象が明らかでない場合は、資料名や案件名を具体的に書く方が伝わりやすくなります。

正しい言葉を選ぶことだけでなく、相手が一度読んだだけで理解できる文章を目指すことも、ビジネス文書では大切です。

当該に関するよくある質問

Q1. 当該は何と読みますか?

「当該」は「とうがい」と読みます。

ビジネス文書や公的な文章などで使われる、やや堅い表現です。

Q2. 当該と該当は同じ意味ですか?

同じではありません。

「当該」は話題になっている特定の対象を指し、「該当」は条件や基準などに当てはまることを表します。

「当該案件」と「条件に該当する案件」のように、文章の役割によって使い分けます。

Q3. 当該は日常会話でも使えますか?

日常会話でも使えますが、やや改まった印象があります。

普段の会話では「その」「例の」などの方が自然な場合があります。

Q4. 当該するという表現は正しいですか?

一般的なビジネス文書では避けるのが無難です。

条件に当てはまることを表す場合は「該当する」を使いましょう。

Q5. 当該は英語で何と表現しますか?

文脈によって異なりますが、the relevant、the said、in question などが候補になります。

例えば、「当該案件」は文脈に応じて the relevant matter や the matter in question などと表現できます。

英語では日本語の「当該」と常に一対一で対応する単語があるわけではないため、文章全体の意味に合わせて選びます。

まとめ|当該と該当の違いを理解して正しく使おう

「当該」と「該当」は似た言葉ですが、意味と使い方には明確な違いがあります。

  • 当該(とうがい): 話題になっている特定の対象を指す。
  • 該当(がいとう): 条件や基準などに当てはまることを表す。
  • 当該の使い方: 「当該案件」「当該資料」のように名詞と組み合わせる。
  • 使う際の注意点: 指す対象を明確にし、一般的な文章では必要に応じて「その」などに言い換える。

仕事のメールで「当該」という言葉を見かけたら、まずは前後の文章を確認して、何を指しているのかを把握しましょう。

自分で文章を書くときも、対象を指しているのか、条件に当てはまることを伝えたいのかを考えれば、適切な表現を選びやすくなります。

言葉の意味を暗記するだけでなく、文章の中での役割を理解することが、正確で読みやすい日本語につながります。

 

参考文献・参考情報

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