日曜劇場『VIVANT』を観ていて、劇中に突然登場した「引き裂かれたカーテン」という言葉や暗号「π(パイ)」の意味が気になり、色々と調べてみました。
ドラマの展開があまりにもスピーディーで、暗号の解読ロジックや元ネタとなった映画の背景まで一度に理解するのはなかなか大変ですよね。
この記事では、第17話で描かれた暗号の解読メカニズムから、元ネタであるヒッチコック映画の隠された設定まで、知っておきたい情報を整理してまとめました。
VIVANT第17話で話題になった「引き裂かれたカーテン」とは
『VIVANT』第2シーズンの第17話にて、作中の重要人物であるリュウ・ミンシュエンが放ったセリフの中に「引き裂かれたカーテン」というフレーズが登場しました。
この「引き裂かれたカーテン」とは、1966年に公開されたアルフレッド・ヒッチコック監督による名作スパイ映画のタイトルです。
劇中では、警視庁公安部の野崎守が仕掛けた複雑な暗号を読み解くための「重大な鍵」として、この映画と作中の組織名が引用されていました。
1億2600万と1億6000万の送金記録に隠された秘密
暗号の出発点となったのは、野崎から警視庁サイバー犯罪対策課の東条翔太に対して行われた、不自然な2回の口座振り込みです。
振り込まれた金額は、それぞれ以下の通りでした。
1億2600万円
1億6000万円
一見すると単なる資金移動や捜査費用のように思えますが、中国の民間情報機関「シンシー」のメンバーであるリュウは、この2つの数字が単なる金額ではないことを見抜きます。
数字そのものが意図的に選ばれた暗号のデータであり、解読されることを前提に残されたメッセージだったのです。
暗号キー「π」を掛けると浮かび上がるシャキ城の座標
リュウがたどり着いた解読のロジックは、非常に知的なものでした。
映画『引き裂かれたカーテン』に登場するスパイ組織「π(パイ)」から、円周率である「3.141592653…」を連想したのです。
野崎が残した2つの送金額に対し、この円周率「π」を掛け合わせる計算を行いました。
すると、算出された計算結果から以下の情報が導き出されます。
捕らえられた別班員たちが拘束されている「シャキ城」の正確な緯度
同じく「シャキ城」の正確な経度
膨大な数字の羅列から位置情報(GPS座標)を割り出すという、非常に高度で鮮やかなトリックが隠されていました。
野崎が暗号に「引き裂かれたカーテン」を選んだ理由
なぜ野崎は、わざわざこのような回りくどい方法でシャキ城の場所を残したのでしょうか。
尋問の中で野崎自身が認めた通り、これは捕らわれてしまった別班員たちが助かる可能性に賭け、主人公の乃木憂助へ居場所を伝えるために仕込んだ一手でした。
万が一、敵組織に送金記録が見つかったとしても、古典映画の知識がなければ解読できない二重の防壁として機能させていたと言えます。
正直、映画の知識がないと気づけないレベルの暗号ですが、乃木や敵の精鋭なら必ず気づくと信じていた野崎の凄みが伝わってくる場面ですね。
元ネタ映画『引き裂かれたカーテン』の作品概要とあらすじ
ここで、暗号の元ネタとなった映画『引き裂かれたカーテン』について基本情報を確認しておきましょう。
この作品は、サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督の通算50作目にあたる記念すべきスパイ映画です。
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公開年:1966年
主演:ポール・ニューマン(原子物理学者マイケル役)
共演:ジュリー・アンドリュース(婚約者サラ役)
舞台背景:東西冷戦下の東ドイツ
物語は、アメリカの原子物理学者マイケルが祖国を裏切って東ドイツへ亡命したように見せかけ、実は敵国の機密数式を盗み出すために潜入するというストーリーです。
タイトルの「引き裂かれたカーテン」は、当時の冷戦の象徴であった「鉄のカーテン」を引き裂いて脱出するという比喩から名付けられています。
あらすじや評判について詳しくはこちらの記事でまとめてます。
作中に登場する地下スパイ組織「π」の役割
映画『引き裂かれたカーテン』の中で、主人公マイケルの手助けをするのが地下抵抗組織「π(パイ)」です。
東ドイツ内部で密かに活動し、西側への脱出を支援する秘密組織として描かれています。
作中では、組織の人間と接触する際の合言葉や目印として、地面に靴で「π」の文字を書くシーンがとても象徴的でした。
『VIVANT』の劇中でリュウが「スパイ映画の金字塔に登場した重要な組織」と表現していたのは、まさにこの脱出を支援する地下組織のことです。
映画の組織「π」が逃亡や救出をサポートする存在だった点も、別班員の救出場所を示す暗号として見事にマッチしています。
『引き裂かれたカーテン』の原子物理学者マイケルとVIVANTの核融合研究者エリシャとのオマージュや対比の可能性を考えて今後のストーリーを追うのもまた面白いかもしれません。
VIVANT制作陣が込めた古典スパイ映画へのリスペクト
『VIVANT』でプロデューサーを務める飯田和孝氏らの解説によると、作中にこうした古典映画のオマージュや最新のAI技術を盛り込むことには明確な狙いがあります。
第17話では「仲間や友への愛」がテーマとして描かれており、登場人物たちの強い人間ドラマが軸になっていました。
あえて複雑な暗号やAIといった高度な要素を交えることで、逆に登場人物たちの情熱や絆といった「人間の体温」を浮き上がらせる効果を生み出しています。
単なる謎解き要素にとどまらず、物語の感情線をより引き立てるための演出として計算されているのが素晴らしいと感じました。
まとめ:暗号の裏に秘められた愛と伏線の魅力
『VIVANT』第17話に登場した「引き裂かれたカーテン」という言葉には、ヒッチコック映画へのオマージュと、野崎の命がけの暗号が込められていました。
送金額に円周率「π」を掛けて位置情報を導き出すというロジックは、映画に登場する地下組織「π」が元ネタになっています。
二重三重に張り巡らされた伏線や知的なトリックを知ると、ドラマのシーンをもう一度見返したくなりますね。
この記事が、作品の謎を解き明かす参考になれば幸いです。
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