最近、SNSを眺めていて思わず二度見してしまった投稿がありました。
鳥取県広報課が発信した、職員採用試験の募集ポストです。
そこには、大人気ドラマ『VIVANT』に登場する警視庁公安部の野崎守にそっくりな男性が、ビシッと黒いスーツで決めている写真が載っていました。
あまりにも本物そっくりで、ネット上でも「合成かと思った」「鳥取県庁に潜入捜査していると言われても納得する」と大いに盛り上がっています。
気になって情報を集めてみたところ、単なる一発ネタではない、鳥取県の驚くほど本気な戦略が見えてきました。
バズっているあの職員の素顔や、なぜ鳥取県がここまで『VIVANT』にこだわるのか、そして実際の試験情報まで、調べた内容を分かりやすく整理してお伝えします。
165万回表示された鳥取県の採用告知がすごすぎる
今回の騒動の発端となったのは、2026年8月28日に投稿された鳥取県広報課公式Xのポストです。
そこには「『俺にふさわしい仕事をよこせ!』『俺をトトリーの幹部にしろ!』なんて意気込みを持つあなた、鳥取県職員試験の募集をはじめました!」という、ドラマのセリフをもじった熱いメッセージが添えられていました。
「俺にふさわしい仕事をよこせ!」
「俺をトトリーの幹部にしろ!」なんて意気込みを持つあなた、鳥取県職員試験の募集をはじめました!
試験情報はこちら↓https://t.co/B3JuD6kmYe
(写真は県庁内でVIVANTごっこをしてる野崎っぽい県職員)#VIVANT #VIVANT鳥取 #鳥取県 pic.twitter.com/hmz8iUIMX5
— 【公式】鳥取県広報 (@tottori_kouhou) August 28, 2026
この投稿は瞬く間に拡散され、わずか数日で165万回以上の表示を記録し、いいねの数も2.3万件を超える盛り上がりを見せています。
新聞やテレビといった多くのメディアでも「鳥取県庁の野崎っぽい人」として大きく取り上げられました。
お堅いイメージのある行政の採用情報が、ここまで多くの人の目に触れるのは本当に珍しいことです。
「野崎守」に激似の職員は本当に県庁の人なのか
写真に写っているのは、阿部寛さん本人でもなければ、プロのタレントでもありません。
正真正銘、鳥取県庁の令和の改新戦略本部広報課に勤務している、松田健(まつだ けん・41歳)係長という職員です。
実は松田さん、約20年前から「阿部寛さんに似ている」と周囲に言われ続けてきた、筋金入りの「激似の人」でした。
テレビにおなじみの顔が登場すると、ご自身のお子さんが「パパだ!」と誤解してしまうエピソードもあるそうです。
今回の撮影にあたっては、普段は生やしていないヒゲを1週間前から伸ばし、もみあげを手描きして臨むなど、かなり気合の入った役作りを行っています。
しかし面白いことに、松田さん自身はドラマ『VIVANT』を実は見ていないのだそうです。
この素晴らしいギャップが、読者にも親しみやすさを感じさせてくれます。
出向中という立場が生んだリアル「ダブルエージェント」
松田係長について調べていくと、さらに面白い事実が判明しました。
松田さんは現在、鳥取県内にある日吉津村(ひえづそん)から鳥取県庁へと出向してきている身分です。
この「自治体から別の自治体へ派遣されている」という複雑な立場が、ネット上では「まるで別班とテントを行き来するダブルエージェントのようだ」と、さらなる話題を呼んでいます。
まさに今回のパロディにこれ以上ないほど適任の人物でした。
本人は、この突然の全国的な反響にとても驚いているようです。
普段は県政の動きを県内外へ届ける大真面目な広報業務を担当しており、「鳥取県のPRに繋げられる限り頑張ります」と、非常に頼もしいコメントを残しています。
鳥取県が全力で「VIVANTごっこ」に挑む大真面目なワケ
そもそも、なぜ鳥取県がここまで『VIVANT』のパロディに力を入れているのでしょうか。その理由は、3年前の第1シーズン放送時までさかのぼります。
ドラマに登場する広大な「バルカ共和国」の砂漠シーンが、鳥取県が誇る観光地「鳥取砂丘」を強く連想させることから、県は公式に「VIVANTごっこ」を推奨し始めました。
驚くべきことに、平井伸治知事みずからが砂丘に赴き、スーツ姿で砂漠をさまよう様子などを再現した動画を配信したほどです。
行政情報はどうしても「堅苦しい」「自分には関係ない」と思われがちですが、話題のトレンドを上手に掛け合わせることで、普段は行政に関心を持たない若い層にまで情報を届けることができます。
この遊び心あふれる攻めの広報姿勢こそが、鳥取県が全国から注目される秘訣なのかもしれません。
鳥取砂丘に巨大モニュメントも!2026年夏の最新キャンペーン
鳥取県の取り組みは、SNSでの冗談半分のものではありません。
2026年7月からは『VIVANT』第2シーズンの放送開始に合わせ、観光誘客のための非常に本格的なプロジェクトを始動させています。
その代表例が、鳥取砂丘に設置された巨大な砂のロゴモニュメントです。
幅3.4メートル、高さ1.2メートルという迫力あるフォトスポットで、2027年3月まで設置される予定となっています。
さらに、公式SNSでは豪華なキャンペーンも開催中です。
- 公式XやInstagramをフォローして、鳥取県のロケ地と考察した画像にハッシュタグを付けて投稿する
- 期間は2026年12月31日まで
- 抽選で3名に、20,000円相当の鳥取県名産「松葉がに」が当たる
このような、ただ楽しんでもらうだけでなく、実際に鳥取へ足を運んでもらうための仕掛けを真面目に作り込んでいるのが、とても面白いポイントだと感じます。
「トトリーの幹部」を目指す人へ!令和8年度秋試験のポイント
今回のバズをきっかけに、「こんな面白い職場で働いてみたい」と考えた人もいるのではないでしょうか。
現在募集されている試験の具体的な情報を集めました。
現在受付中なのは、主に「大学卒業程度」と「民間企業等経験者対象」の秋試験です。
「大学卒業程度:秋試験」
- 職種:事務(キャリア総合コースなど)、土木、社会福祉、薬剤師など計23名程度
- 受付期間:8月24日(月)午前9時〜9月25日(金)午後5時
- 第1次試験日:10月18日(日)※土木は10月9日〜10月26日
- 特徴:大学3年生(21歳)の受験も可能で、民間企業と併願しやすい仕組みになっています。
「民間企業等経験者対象:秋試験」
- 職種:事務(6名程度)、土木(4名程度)
- 受付期間:8月7日(金)午前9時〜9月15日(火)午後5時
- 受験資格:59歳以下で、通算5年以上の職務経験があること(事務の場合)
- 特徴:公務員特有の筆記試験対策は不要で、SPIやアピールシートで全国のテストセンター等から受験できます。
筆記試験のハードルを下げ、全国から柔軟な発想を持つ人材を募るための工夫が、試験内容の面でもしっかり行われているように思います。
個人的には、こういう試験改革が進むと公務員がもっと身近になりそうですね。
まとめ
SNSで話題をさらった「VIVANT風」の採用告知は、鳥取県の確かな広報戦略と、現場で働く職員の皆さんの抜群のユーモアセンスが融合した素晴らしい取り組みでした。
単に目立つだけでなく、観光モニュメントや、受験しやすいように改革された採用システムなど、裏側には非常に大真面目な努力と工夫が詰まっています。
このような自由で風通しの良い職場であれば、新しく入る職員の方々も伸びのびと自分の強みを発揮できそうです。
今回のバズの背景には、ただ目立つだけではない、地域の魅力と県政情報を届けるための大真面目な熱意が隠されていました。
今後、鳥取県がどのような愉快な作戦を仕掛けていくのか、引き続き注目していきたいと思います。
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